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みなさんこんにちは。大分の司法書士の堀です。今回は、亡くなった方の預貯金の調べ方『預金の取引履歴の開示請求』についてお話します。
遺産分割の前提として行うこと
まず、遺産分割の前提として行うことですが、相続開始時には相続財産を調査する必要があります。
預貯金や不動産、株式、動産など亡くなった方のあらゆる財産を調査して、それを遺産分割の対象にしていくわけです。その中でも預金は、誰もが持っているものでしょう。
相続人による預金の取引履歴の開示
では、ここで問題です。
相続人が複数いた場合、その中の1人だけで取引履歴の開示請求をすることはできるでしょうか。
状況例として、一郎(兄)さんは「父親の預金の取引履歴を教えてください」と銀行に申し出たところ、「相続人全員からの請求ならば対応します」と断られてしまいました。
一郎さんには次郎さんという弟がいらして、亡くなった太郎さんはお父さんです。
判決では、『各相続人が開示請求することができる』となっています。全員でわざわざ請求する必要はなく、一郎さんだけ、次郎さんだけでも取引履歴は開示していいですよ。という判決が出ました。
相続の争いではよくあることなのですが、相続人が兄弟の場合、お父さんから相談があった時にお兄さんが財産を開示してくれない、といった相談を受けることがあります。
しかし、弟さんも財産を調べることはできるので、お兄さんの開示を待つ必要はありません。不動産であれば名寄帳を取り寄せればいいですし、相続人1人でも、金融機関へ申し出れば銀行にある財産はわかります。相続人全員でやる必要はありません。
少々もめているようなことがあれば、それぞれが開示請求していくことになるでしょう。
預貯金の相続手続きでやるべきこと
預貯金の相続手続きでやるべきことは各銀行、金融機関で異なりますが、一般的には相続の届け出や、相続に関する依頼書といった必要書類を提出して、払い戻し、名義変更手続きを行う必要があります。
依頼書は、遺産分割協議書を求めるところもあれば、依頼書の中にすべて記入していれば問題ないという金融機関もあります。
相続手続きに必要となるのが、亡くなった方や相続人の戸籍、相続人全員の印鑑証明です。
開示請求の際は1人でもいいのですが、解約手続き、預貯金の解約については全員の印鑑証明が必要です。金融機関によって3~6か月の期間が決まっていますので、その間に手続きを進めることとなります。もろもろの解約には、いろんな手続きやたくさんの書類が必要になるのです。
相続手続きについては専門家にご相談を!
金融機関へ預貯金の取引履歴開示を請求するのは、相続人1人でもできます。
ですが、預金の相続手続きにはやるべきことがたくさんあります。また、金融機関によって必要な書類や手続きの流れが異なります。
預金額が小さい場合は、相続人1人でも解約できるといったところもありますが、ある程度の財産があれば、相続人全員の同意がなければ解約できません。
預貯金の解約手続きをするには、最低でも2回は金融機関へ出向くことになります。
まず最初に、金融機関へ「亡くなりました」という届け出(連絡)をした時に、手続きの種類や必要書類について打ち合わせをします。
そして、戸籍等を揃えてもう一度金融機関へ行く。そこで、いろんな書類に記入をしますが、その場で終わることもあれば「また来てください」と言われることもあります。
さらに、複数の金融機関と取引があれば、相続人にとって大きな手間になります。そのような場合には、私ども専門家にご相談いただければ一括して手続きを行いますので、時間に余裕もできると思います。
預貯金の取引履歴に限らず、解約などについても不安がありましたら、まずは専門家に相談いただければと思います。
今回は預貯金の開示請求についてお話しました。
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