判例編6:生命保険と相続
太郎さんは保険会社との間で、保険の契約をしていました。内容は、太郎さんが被保険者、死亡時の受取人を相続人としていました。その後、太郎さんは遺言を書き、「全ての財産を竜造さんに包括遺贈する」としました。太郎さんはなくなり、太郎さんの相続人である一郎さんが保険会社から保険金をもらいました。
竜造さんは遺言により生命保険金も遺贈(相続)を受けた、と主張しました。
さて、竜造さんの言い分は認められるでしょうか。
裁判所は、この生命保険金は相続財産ではないとしました。つまり、受取人固有の権利であって、相続の対象ではないということですね。もしこの契約で受取人を「相続人」ではなくて、「花子さん」としていたら、花子さんが保険金を受け取れるということです。相続財産でない以上、遺言で「相続する」「遺贈する」とあっても竜造さんには権利はないことになります。
保険の契約って複雑ですよね。相続対策の保険もありますが、しっかり理解して加入する必要がありますね。
当事務所では、保険に強いファイナンシャルプランナーとも提携しておりますので、保険の相談もお受けしています。あとでトラブルにならないようにご自身にあった保険に加入しましょう。
今回の参照判例:最3判昭和40年2月2日民集19巻1号1項