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経済通

高橋是清。

これほど波乱万丈な人生で、
しかも経済通な人は、
日本にはもう現れないのかもしれませんね。

少年時代から英語を学び、
海外留学もしたはいいが、
アメリカでは奴隷扱い。

日本に帰ってきたら
明治維新で様変わりしていたが、
教師や官僚、銀行マン、
日銀総裁、大蔵大臣、
ついには総理大臣まで経験し、
日本の国益のために働いた人ですね。

日露戦争の最中の国債の発行に尽力し、
戦争を経済面で支えつつ、逆に
軍部が軍備増強に走ろうとしたときには、
予算要求を突っぱねたり、
国益や世界情勢からの判断力は強烈でした。

そんな是清を二・二六事件が襲い、
その後、軍部の歯止めが利かなくなって、
あの大戦争に突入していったのです。

今、日本が戦争をするようなことはありませんが、
是清のような人がいたら、日本の借金問題も
片付いているんじゃないかなと思いますね。

経済の話はちょっと難しいですが、
なかなか読み応えのある小説でした!