第14回 遺産分割<相続法>
今回は、遺産分割についてです。
前回お話しましたように、相続開始後の遺産は、共同相続人の共有財産であり、遺産分割協議をすることによって、個々の財産となります。
共同相続人は原則いつでも遺産分割することを他の相続人に請求することができます。ただし、被相続人が遺言で分割を禁止することができ、その場合には最長5年間は遺産分割できません。たとえ相続人全員が合意したとしても被相続人の意思を覆すことはできません。
遺産分割の方法は主に3種類あります。
1つ目は指定分割です。被相続人が遺言で分割方法を指定する方法です。例えば、遺言に「長男は土地を、次男は預貯金を相続させる」、というように書かれている場合のことです。
2つ目は協議分割です。共同相続人全員参加・全員同意で分割方法を決めます。一般的にはこの方法が一番多いかと思います。
3つ目は家庭裁判所による調停・審判です。共同相続人間で協議がまとまらない場合に、裁判所が間に入り双方の言い分を聞きながら調整する方法です。調停・審判となると紛争性がありなかなか話がまとまらず時間を要するケースが多いようです。
遺産分割の効果は、相続が開始した時に遡って生じます。相続後遺産分割までには時間がかかりますが、それでも遺産分割で決まった内容は相続が開始したときからその内容であった、つまりその相続人が相続していたということになります。
あと、被相続人の借金などの債務については債権者の同意がなければ遺産分割できません。債権者としては資力のない相続人が借金を相続されても困るというのもあるからです。
一般的には遺産分割協議で話がまとまるケースが多いですが、権利のみを主張して義務を履行しようとしない相続人がいると話がこじれて前に進みません。遺産分割協議や調停審判の実態についてはまた書きたいと思いますが、色々な人間模様が見えてしまう手続きですね。
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