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密約不開示~運命の人~

まだ戦っていたんですね。

すごい執念というか、なんというか。

沖縄返還時の日米の密約問題。

戦後アメリカが沖縄から撤退する際に、
日本は原状回復費として400万ドルを
アメリカに請求したのだが、
実はその400万ドルは日本が肩代わりしていた
のではないかという密約。

それを新聞記者がスクープしたところ、
全否定する政府と「知る権利・報道の自由」を誇張する
マスコミの対立となった。

そのスクープのネタ元が外務省の女性事務次官を
そそのかしたということでスキャンダル的な問題にも
すり返られていく。

結局、機密漏洩事件として有罪判決を受け、
出所後、失意のまま沖縄にたどり着き、
沖縄の本当の現状を知ることとなる。

 

密約自体があったのか否か

知る権利と報道の自由はどこまで許されるのか

沖縄の基地問題

日米関係

 

この事件は根が深く広すぎる。

昨日の最高裁の判決では、
密約文書の開示を認めなかった。

アメリカの公文書では密約文書の存在が
明るみになったものの、日本では、
「行政がないといったらない」ということで不開示。

いつの時代も密約をもって解決したということは
ありえることだと思う。

知らなきゃ幸せってこともある。

なんとも言いがたい後味のスッキリしない小説ですが、
一読の価値ありです。